「バックプレッシャー異常」

戻り圧が高すぎるとシリンダーが壊れます!

油圧シリンダーは「押す側の圧力」だけでなく、「戻る側の圧力」=バックプレッシャーもとても重要です。
この戻り圧が必要以上に高くなると、内部で圧力が逃げ場を失い、シールの破損・オイル漏れ・内部部品の変形など、重大トラブルにつながります。

バックプレッシャーが高くなる原因は主に以下の3つ:

  • 排油側の油路詰まり
  • 配管径が細すぎる
  • バルブの固着や流量不足

どれも「ちょっとした変化」で起きるので、日常点検で気づけるかどうかが勝負です。

戻りが重い・動きが遅い・異音がする
そんな時は、バックプレッシャー異常を疑いましょう。

「ピストンシールの膨張」

シールが膨らんできたら、それは “交換時期” のサインです。
原因の多くは、高温環境での劣化や、不適合オイルによる材料の膨張
シールが膨らむと摺動抵抗が増え、動きが重くなり、最終的には作動不良に発展します。

特に注意すべきポイントは以下の3つ:

  • 使用オイルとの相性
    シール材質と油は必ず適合表を確認しましょう。
    合わない油を使うと、短期間で急速に膨張します。
  • 高温運転による劣化
    油温が高い環境で長時間運転すると、シールは早く傷みます。
    温度管理と冷却の点検が大切です。
  • 動きの違和感に気づくこと
    いつもより動きが重い、戻りが鈍い、などの変化は異常の前触れ。
    小さな変化の段階で点検すれば、大きな故障を防げます。

シールは小さな部品ですが、故障したときの影響は大きい部品です。
違和感を感じたら早めの確認と交換で、機械全体の寿命を守りましょう!

「オイル粘度の選定ミスが招く重大トラブル!」

油圧システムに使うオイルは、どれでも同じ…ではありません。
使用環境に合わない粘度の油を選ぶと、圧力伝達の遅れ、潤滑不良、異常摩耗など、機械寿命を大きく縮める原因になります。特に冬場の高粘度・夏場の低粘度は故障の元!
「なんだか動きが重い」「レスポンスが鈍い」──そんな時は、まずオイル粘度を疑いましょう。最適な粘度を選ぶだけで、性能は安定し、トラブルを未然に防げます。